『そして父になる』を観て共感した成功の定義
映画『そして父になる』の良多に重ねた、自分の見栄と弱さ。仕事だけでなく、家族や友人も大切にする人生について考えます。
こんにちは、中都です。
今日は映画『そして父になる』を観た感想を書きます。
お酒を嗜みながら映画を観ることは本当に豊かな時間の使い方だなと感じますし、定期的に名作を観て自分を振り返る時間は作りたいなと思います。
観たことがない人にとっても最低限わかるよう、『そして父になる』のあらすじを書いたあと、それに対しての感想と自分自身で向き合ったことについて書きます。
『そして父になる』のあらすじ
『そして父になる』は、是枝裕和監督が手がけ、第66回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した名作です(Amazonプライムビデオで観れます)。
福山雅治が演じる野々宮良多と妻のみどり、息子の慶多の3人家族は、いわゆるエリートサラリーマン家庭です。
タワーマンションに住み、慶多は小さくしてピアノの稽古とお受験を。良多は仕事に奔走し、土日でさえも働きます。
しかし、ある日慶多が生まれた病院から1本の電話が。
内容は、慶多が出生した際、看護師による新生児の取り違えがあったかもしれないという内容。
後日遺伝子検査をしたところ取り違えが起きていたと発覚します。
相手方はリリー・フランキー演じる雄大が大黒柱の斎木夫妻と、その息子の琉晴(つまり血縁上はこちらが野々宮夫妻の息子)です。
斎木夫妻は、群馬の小さな電気店を営みいわゆる社会的な成功を得ているとは言い難いですが、家族の時間を大切にし楽しい家庭を築いています。

両家庭は、6年間育ててきた息子か、血のつながった息子かという選択を突きつけられます。野々宮夫妻と斎木夫妻、それぞれの視点から複雑な親心が描かれます。
一方で子供たちの姿からは、親の肩書きや収入よりも、一緒に過ごす時間や、育ててくれた親とのつながりが大切なのだと感じました。
それぞれの親子は、そしてこの2つの家族は、子供取り違えの問題をきっかけにどうアンサーを出していくのか…。
そんな映画です。
キャストの演技がうますぎて、登場人物それぞれの視点で何度も観れる作品となっています。
良多の意地が、他人事に思えなかった
私が一番感情移入したのが良多でした。
良多はエリートサラリーマンでお金も地位もあり、会社の中では信頼をされている。
資本主義の中ではかなりの勝ち組だと私は思いましたし、良多自身もそう感じています。
ただ良多は社会性の一部が欠如している自分に薄々気づいているのではないかと私は推察します。
細かい表情、言葉遣いから、資本主義で成果を出すことで自分自身の存在意義を確かめ、それを鎧として纏っているように思えるのです。
現に、知り合いの弁護士を頼りに"現代のルール"で闘おうとしますし、お金で解決しようとしている描写もあります。良多から見るとこの社会は合理的にできており、それが絶対ルールであり、そのルールで成功している自分は正しいと思い込んでいるように見えました。
しかし、理屈で解決できないのが人間であり、家族関係であるというのがポイントです。
作中では斎木雄大に、「負けたことないやつってのは、ほんとに人の気持ちわかんないんだな」と言われた良多は図星をつかれ、その言葉に明確に「敗北」を突きつけられているように私は感じました。
自分も、経歴の後ろに隠れていた
私もしょうもない見栄で格好つけていたことがあったなあと感じます。
学歴、独立したというキャリア、25歳で夢のキャンピングカーを購入したこと…。
他の人から見たらいわゆる"上手くいっている方"だと思いますし、ちやほやされる部分もありました。
「その年で独立してるのはすごい!」
「キャンピングカー買って夢を実現するなんてさすがだね!」
そのような言葉で照れる自分も喜ぶ自分もいましたが、それ以上にそんな中都像を崩せないというようなプレッシャーもありました。
そんな社会的成功に託(かこつ)けて、本当は気づいている自身の弱さを隠していたのは良多だけではなく私もそうでした。
妻に時間を割けなかったことを仕事のせいにして寂しい想いをさせたこともありました。
今は夫婦円満にやっておりますが、仕事で挫折を味わった時に妻に本音で弱みを見せられたのもつい最近のことです。見栄を捨てられたのもやっとそのときでした。

当時は色々キツかったですが、人間的に成長できましたし、今となってはいい思い出です。
『そして父になる』を観て大切にしたいこと
『そして父になる』を観て、アドラー心理学の3つのタスク、「仕事のタスク・愛のタスク・交友のタスク」をバランスよく大切にしたいと再確認できました。
作中では良多が斎木雄大に対し、「僕にしかできない仕事があるんですよ」と皮肉をこめて言いましたが、それに対してのアンサー「父親かて、取り替えのきかん仕事やろ」はその通り過ぎて深く頷きました。
私は仕事だけではなく家族も、友人も全員大切にするような、豊かさのある人生を歩めたらと思います。
執筆時間2:00 NoAI
